歴史
日本では花粉症の歴史はまだ浅いですが、世界では古くから花粉症に似た症状があったと伝えられています。
花粉症がいつ頃から出現していたかについては、その症状が風邪と似ていることもあって、明確にはわかっていません。
しかし1565年(一説には1533年)にイタリアで報告されたのが、現在・花粉症と呼ばれる症状の世界初の報告だと伝えられています。
その後、1819年にイギリスの干し草を扱う農夫に見られる夏風邪の一種として詳細に報告され、花粉症の同義語としても用いられる枯草熱“hay fever”という病名が使用されるようになったのは1828年のこと、そして1873年に枯草熱の原因は花粉であるこが証明され、これにより花粉症“Pollinosis”という病名が誕生したのです。
日本の花粉症の歴史 | |
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一方、日本で最初に確認された花粉症は、戦後1961年にアメリカ進駐軍が持ち込んだといわれているブタクサによるものでした(⇒マッカーサーの置き土産 )。
この報告を期に日本での花粉症の研究が本格化し、1964年にはスギ花粉症が報告され、これ以降さまざまな花粉を抗原とする花粉症が次々と報告されるようになり、いまでは50種類以上の花粉症の原因植物が確認されています。
日本で花粉症が報告された1960年代は、花粉症といえばブタクサ花粉症のことで、典型的な秋の症状でしたが、1980年代以降はスギ花粉症が主流となり、春の症状となっていきました。
日本ではおなじみのスギ花粉症ですが、これは日本特有のもので、戦争で焼け落ちた山々に植えられた大量の杉(人口林)が、数十年というときを経て大量の花粉を飛散するようになったのです。
日本政府も自民党内で「花粉症等アレルギー症対策議員連盟」ができ、ここ数年で花粉症対策に対する予算も急激に増やしていますが、結果がでるのは数年、数十年後ともいわれています。
また近年では、ニホンザルや犬といった人間以外の動物にも花粉症の症状が確認されています。
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