ディーゼルエンジン(大気汚染)
さまざまな研究結果から、1980年代以降に花粉症患者(スギ花粉症患者)が増えた原因、症状の悪化は、大気汚染の影響も大きいと考えられています。
その原因の1つとして、自動車の走行台数の増加、特にディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれる微粒子"DEP"の関与が指摘されています。
地方のスギ林周辺の住民には、都市住民と比べて花粉症患者が少ないといわれています。
こうしたことからも、花粉症はスギ花粉だけではなく、都市周辺部で大量に放出されるディーゼルエンジン(排気ガス)が複合的に関与している可能性も否定できないのです。
大気汚染物質の1つである、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる微粒子"DEP"。このDEPが体内に入ると、通常の3~4倍もの抗体が生み出され、花粉(アレルゲン)に敏感に反応するようになってしまうのです。
またコンクリートとアスファルトに覆わた都会では、花粉がいつまでも土などに吸収されず、何度も舞い上がって、再飛散してしまいます。
さらに花粉量がほぼ同じで、大気汚染の異なる地域を比べると、汚染の高い地域で花粉症患者が多かったことなどから、明らかに都会の住民のほうが、花粉症を発症する可能性が高くなってしまうといってもいいかもしれません。
こうしたことから、ディーゼルエンジンの使用を制限しようという働きも起こっています。
ただ、日本ではディーゼルエンジンが燃料としている軽油の質が悪かったことも事実で、軽油の質を向上する努力をしていればディーゼルエンジンも悪役にならなかったかもしれませんし、近年は排気ガスに含まれる有害物質が少なく環境に良いとされるクリーンディーゼルの普及も進んでいるので、ディーゼルを取り巻く環境も変わってきているようです。
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